スポーツの楽しさは、副産物なのか?
ホテルコンシェルジュ(総合世話係)の
田中英二さんの言葉が印象的だった。
お客様がホテルの玄関からタクシーに乗って、
観光に出かける時の見送りで、
最後にお客様にかけた言葉、
「楽しんできてください」
この言葉、
指導者が試合に臨む選手にかけられるだろうか?
スポーツは楽しむもの。
そう言われて長い年月が経つ。
日本においては、
このような意識はまだまだ広がっていない。
本来、スポーツは楽しむもの。
スポーツのプロは、
スポーツの楽しさを伝える伝道者。
伝え方は、人それぞれ。
楽しむことは手を抜くこと、
気持ちが緩むと言う人がいる。
果たしてそうだろうか?
子どもたちは、言う。
「一生懸命やらないと楽しめない」
楽しんだ後に勝敗があるわけで、
楽しむことよりも勝敗を目的とすると、
スポーツへの取り組み方が歪む。
楽しむことが目的であるならば、
負けた時でも
楽しみを感じることは十分にあり得る。
負けた時、涙を流す選手をみる。
流す涙は、何に対しての涙なんだろう?
それが悔し涙であるのならば、
何に対する悔しさなんだろう?
負けという結果なのか?
相手なのか?
自分なのか?
他のものなのか?
負けて涙を流す選手。
楽しさは微塵も感じないのだろうか?