楽しさの秘密
父:「心はどこにあると思う?」
娘:「……(そっと心臓に手を当てる)」
父:「心という臓器はない」
「心は思考の産物だ」
「思考は人間のみに与えられた快楽だ」
「思考する楽しみを知りなさい」
娘:「何を思考するの?」
父:「なぜ? どうして?と常に自分に問いかけることだ」
さらに続く会話
父:「では、お前はなぜスポーツをやるのだ?」
娘:「楽しいから」
父:「なぜ楽しいのだ?」
娘:「思い通りにできた時、気持ちいいから!」
父:「では、うまくいかなかった時は?」
娘:「楽しくない。悔しい」
父:「では、やらなければいいのでは?」
「やらなければ悔しい気持ちになることはないのだから」
娘:「悔しいから次はできるように頑張る」
「頑張ってできた時は、楽しい」
父:「頑張らないとうまくいかないんだ?」
「難しいんだ?」
「難しいから楽しいんだ?」
娘:「うん、簡単だったらすぐ飽きちゃう」
「簡単だったら、こんなに楽しくない」
父:「もう一度、訊(き)くよ?」
「なぜスポーツをやるの?」
娘:「むずかしいから!」
「なかなか解けないなぞなぞみたいだから!」
父:「生きると同じだ」
指示、指図って、
なぞなぞの答えをすぐに教えちゃうってことかな?