スポーツへの関り方

有森裕子さんは、

スポーツを

感動の物語に仕立てることは、

とても大きな危険があると言う。

2018年秋の実業団女子駅伝で、

転倒して骨折した選手が

中継地点までの約200㍍を

四つん這いで進んで

タスキをつなげた場面。

メディアがこれを

美談として伝えた。

監督が「棄権」を判断したのに

その意思が現場に

伝わらなかったことが問題。

選手の感情は問題ではない。

私が彼女でも

絶対に同じことをした、と。

血を流しながらはっている様子が

「チームの絆」とか

「強い精神力」とか、

感動の美談として報道された。

「はってでもタスキを渡す」

という行為を

真似する子どもたちが

出てきかねないことを危惧している。

監督がきっぱりと

「これは美談ではない」

と、おっしゃったのが

せめてもの救いだったと。

「感動」を求める声が

当事者の冷静な意識を

奪うことがある。

障がい者スポーツでも

同様のことが起きていると言う。

様々な障害を乗り越える

アスリートの姿は、

見ている人に感動を

与えるかもしれないが、

当事者にとってはどうなんだろう?

当事者と当事者以外の人との

スポーツに対する意識は異なる。

スポーツをする人、観る人の

目的は、何だろう?

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次