正解が創りだす恐怖

美学者、伊藤亜紗さんの言葉

『美学』

人間の感性の働きを解明する学問で

哲学に近い。

「怖いけど見たい」のように

人間の感じ方は必ずしも

論理的とは限らない。

人間のあいまいな領域に

切り込んでいく。

けれどもこのご時世、

「感じる」はかなり分が悪い。

自分の思いを主張すれば

エビデンスを示せと言われるし、

顧客に人生を変えさせるほどの

感動を与えたとしても

数値化できなければ業績にならない。

学生たちに抽象画を見せて

どう思うか質問しても

彼らは答えるのをためらう。

恐れているようにすら見える。

なぜならそこには正解がないから。

正解がないとなぜ恐れるのか。

正解ではない答えを言った後に

訪れる出来事に

不安を感じているから。

批判、否定など。

何を言っても批判されたり

否定されたりしないと思える

安心な場作りが不可欠である。

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