専門家とは
体育の授業に関しての
先生同士の会話。
先生A :「今、何を教えている?」
先生B :「うん、マット運動やってる」
体育教師らしい会話である。
この会話の特徴は、
「何を教えているのか」という、
教えている内容を問う質問に対して、
「マット運動」という、
教材で答えているところにある。
質問と返答とが食い違っているのもかかわらず、
それが意識されない。
質問した側も
「何を」
教えているのかを聞きながら、
期待している返答は、
教材名であることが通常なのだろう。
「回転運動における半径の大きさと回転スピードの関係」
を教えているなどと答えれば、
質問した側が、
目を丸くすることだろう。
この問答の中には、
教材と教科内容との区別と関連、
すなわち、
教材「を」教えることと、
教材「で」教えることとの
区別と関連が、
認識されていないという実情の表れである。
このようなことって、
スポーツ指導の場で、
多くみられる感じがしてならない。
