スポーツ指導の目的 ②
仙台育英高校野球部、須江監督の監督像。
元大リーグの田中将大選手、
大リーガーのダルビッシュ選手は、
YouTubeをやっている。
選手は、監督なんかよりはるかに
優秀だとか感覚を持っている人間の
アドバイスを一瞬で手に入れられる。
だから監督の役割っていうのは、
もうカリスマ的に
何かを指導したりすることでもない。
思考の交通整理をすることが監督の役割なんです。
情報が多すぎる時代なので、
選手と一緒に情報を整理してあげるんです。
さらに彼の野球の捉え方が興味深い。
彼は、野球は全部セットプレーだと言う。
野球の状況は、288通り。
アウトカウント 3通り(0アウト、1アウト、2アウト)
ボールカウント 12通り(ノーストライク•ノーボール、1ストライク•ノーボール、・・・)
ランナーの状況 8通り(ランナーなし、ランナー1塁、ランナー1塁2塁、・・・)
3×12×8=288
試合は288ケースの中の何かが、
本番に起こるだけである。
打球が遠くに飛ぶとか、
速いボールが投げられるという、
そういうところに強さがある
と言うように思いがちだが、
競技特性を考えたら、
「思考力」なんです。
強さとは。
野球を細かく分解して、
多面的に見ている。
その結果、彼の指導の目的が、
「思考力」を高めることに定められている。
技術・体力から思考力へ、ではなく、
思考力+技術・体力に近い。
そんな指導方針を選手はどう捉えているか?
選手は言う。
「結局やるのは自分たちなので、考えさせてくれることは自分たちのためになります」