アスリートの目的は、何?
米国での黒人差別に抗議して
1968年メキシコ五輪、
陸上男子200mの表彰台で
黒い手袋をはめた拳を突き上げて
大会から追放されたジョン・カーロス氏。
五輪競技会場などで政治的、宗教的、人種的な
宣伝活動を禁じる五輪憲章第50条の撤廃を
国際オリンピック委員会(IOC)に求めた。
「選手はもう黙ってはいない。我々は今、岐路に立っている。表現の自由は国連で認められた基本的人権」
と主張した。
元陸上選手の為末さんの発言を思い出した。
アメリカの選手が言った言葉だそうだ。
「選手には、勝ちたいという選手と、何かを言うために勝ちたいという2種類の選手がいる。私は、後者の選手になりたい」
「後者の選手は、社会も求めているし、アスリートたちもそういう意識に変わってきている。自分は競技を通じて何を訴えたいんだろうかと、早い段階で問い始めている」
と為末さんは言う。
一方、アスリートが政治や人権問題について
発信することが、未だ少ない日本。
その背景について、為末さんは
自身の経験を基づいて話す。
現役時代、日本の陸上界の疑問点について
コーチに相談したところ、
「それは競技に関係のないことだから、引退してからにしろ」
と、言われたそうだ。
日本スポーツ界の環境。
現役アスリートって、
何者なんだろう?
